TCFD提言に基づく情報開示

2022年8月5日
双葉電子工業株式会社

双葉グループは、社会が直面する気候変動問題を最重要課題の一つと捉え、社内外の温室効果ガス排出量削減等に向けて積極的に取り組んでまいります。こうした中、2022年6月にTCFD提言への賛同を表明いたしました。

気候変動に真摯に向き合い、事業に影響するリスク・機会への理解を深め、その取り組みの積極的な開示に努めてまいります。

TCFD提言では、気候変動に関する「ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標」の各項目に関する情報開示が推奨されています。この4つの開示推奨項目に沿った情報の開示とともに、シナリオ分析、気候変動に伴うリスクと機会を評価しました。

※TCFD:G20の要請を受け、金融安定理事会(FSB)*により、気候関連の情報開示および金融機関の対応をどのように行うかを検討するため、マイケル・ブルームバーグ氏を委員長として設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」を指します。

*各国の金融関連省庁および中央銀行からなり、国際⾦融に関する監督業務を行う機関

TCFDに基づく情報開示

(1)ガバナンス

双葉グループでは、サステナビリティ経営の推進体制において、代表取締役社長を委員長とした「SDGs推進委員会」を設けています。

「SDGs推進委員会」が主催するマネージメントレビュー会議(SDGs会議)を、原則として年2回開催し、気候変動を始めとするサステナビリティに関する事項の審議・報告を行い、重要事項については、必要に応じて「取締役会」にて報告し、監督される体制となっています。

SDGs推進体制

双葉グループでは、これまでISO14001をベースに行ってきた環境管理体制を、SDGsがベースとなる体制に変更し、双葉グループ全体で推進を行っていきます。

(2)戦略

双葉グループは、気候変動が双葉グループに与えるリスク・機会とそのインパクトの把握、および2030年時点の世界を想定した戦略のレジリエンスと、さらなる施策の必要性の検討を目的に、シナリオ分析を実施しています。

双葉グループは気候関連リスク・機会の重要性評価に向け、「移行リスク」「物理リスク」「機会」の区分でシナリオの特定と評価を実施し、7つの評価項目を選定しました。国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が提示する気温上昇1.5℃、4℃に相当するシナリオと社内外の情報に基づき、事業インパクトと財務影響度を評価しました。

気候変動に伴うリスクと機会を以下のとおり認識し、「脱炭素社会の実現」を目指して、双葉グループにおけるCO2排出量の削減のほか、お客様にとってCO2排出量削減につながる製品・サービスの提供を行なってまいります。

選定した評価項目

リスク/機会 内容
政策・法規制リスク 温室効果ガス排出やエネルギー使用に関する法規制強化(炭素税等)に伴い、対応コストが増加するリスク、および違反した場合の企業価値低下のリスク
技術リスク 脱炭素社会に向けた熾烈な技術開発競争で劣勢になった場合、投資未回収や市場シェア低下が生じるリスク
市場リスク 製品やサービスに対する省エネ性能のニーズを満たさなかった場合、ビジネス機会を逸失するリスク
急性リスク 台風、洪水のような異常気象の深刻化・増加等の物理的変化に関するリスク
慢性リスク 降雨や気象パターンの変化、平均気温の上昇、海面上昇等の物理的変化に関するリスク
資源の効率性の機会 交通・輸送手段の効率化、製造・流通プロセスの効率化、リサイクルの活用、資源の使用量・消費量の削減等により収益が向上する機会
エネルギー源の機会 低炭素エネルギー源の利用、政策的インセンティブの利用、新規技術の利用、カーボン市場への参画等により収益が向上する機会

 

シナリオ分析

双葉グループは、2022年度にIPCC報告書のRCP2.6(1.5℃シナリオ)、RCP8.5(4℃シナリオ)を参照し、気候関連リスクの重要性評価に基づき、気候変動の事業に対する影響についてシナリオ分析を行いました。

前提となる社会経済シナリオから関係事業への影響シナリオを策定し、影響度を把握しました。その際、国際的な議論の動向、展開地域、他社事例なども考慮し、発生の可能性、事業へのインパクトを踏まえ、特に重要なリスク・機会を抽出しました。

想定したシナリオ

4℃シナリオ

気候変動に対する法規制は先進国では厳しくなっていますが、発展途上国では規制が弱く、結果としてCO2排出量は十分なほどには削減できていません。このため気温上昇が止まらず、温度上昇や1日の温度差縮小に耐えられない動植物が出現し、生物多様性の危機が顕在化しています。また、集中豪雨などの自然災害は現在以上に広域で多発しています。当社、長生工場内で保護活動を行なっている絶滅危惧種の湿生植物も環境の変化に耐えられず、絶滅の危機にさらされています。エネルギー費への炭素税の影響は事業に大きな影響を与えるまでには至りません。温暖化により感染症のリスク人口が増え、今まで影響の無かった地域にも感染が拡大し、熱中症による救急搬送も顕著に増えており、健康への影響を多くの人が懸念する状況となっています。

1.5℃シナリオ

炭素税に加えて国境炭素調整措置も導入され、世界中で気候変動対応の厳しい法規制が施行されています。これにより、気温上昇が抑えられ、自然災害も現在より大きく増えることは無く、動植物への影響も限定的となっています。当社、長生工場内で保護活動を行なっている絶滅危惧種の湿生植物も、現在と同様に季節に合わせて可憐な花を咲かせています。一方で炭素税などの規制により、エネルギー費用が高騰し、その他の調達品にも影響が出ています。温暖化による顕著な健康への影響はありませんが、真夏日や風水害などで気候変動の影響を日々感じる状況となっています。

評価結果

影響シナリオ、財務インパクト、対応策等をシナリオ分析表に示します。

(3)リスク管理

全社リスクマネジメント体制において、CR(コンプライアンス・リスク)委員会を設置し、気候変動関連を含むグループ全体のリスクの識別・評価・管理を実施しています。CR委員会は、全社共通のリスクアセスメントを定期的に実施するため、各部門ならびに双葉グループの責任者へアンケートを配布し、回収しています。このツールを用いてリスクの脅威に関する影響度および発生可能性、対策状況等の項目についてアセスメントを実施し、リスクの脅威を洗い出しています。そして、各影響度および発生可能性の両側面で一元的にマトリクス分析し、全社レベルでの優先順位の高いリスクを抽出し、その結果を取締役会に報告しています。

CR委員会とSDGs推進委員会の関係を下図に示します。SDGs推進委員会の課題や取組み事項についてもリスクの一つとして、捉えています。

(4)指標と目標

双葉グループは、気候関連のリスク対応において、CO2排出量の削減が重要であると認識しています。従って、CO2排出量の削減率を指標としています。中長期的な目標として「CO2排出量の削減」を定め、指標をモニタリングし、戦略の進捗管理およびリスク管理を実施しています。

双葉グループのCO2排出量削減目標とこれまでの推移および2022年度の計画値を以下に示します。なお、CO2排出量は双葉グループの生産拠点におけるScope1,2を対象とする値となっています。

CO2排出量の削減目標と推移

2030年度目標:双葉グループとして2013年度比46%削減

2021年度の当社CO2排出量は前年度比1.7%削減、2013年度比で54.8%削減しました。2021年度の双葉グループの生産拠点におけるCO2排出量は前年度比6.9%削減、2013年度比で37.4%削減となりました。また、2022年度の双葉グループの生産拠点におけるCO2排出量は前年度比1.7%削減、2013年度比で38.4%削減を見込んでいます。

今後は、サプライチェーン全体の排出量を把握するため、Scope3排出量を算出し、販売会社を含めた双葉グループ全体のCO2排出量削減に取り組んでまいります。