人財への取り組み
基本的な考え方
従業員がいきいきと活躍し、成長することなしにはFutabaグループの成長はありません。そのため、当社は人材が最も重要な資本であるとの考えから「人財」と表現します。
当社では、企業理念である「なくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献する」を社会における存在意義としており、「会社の組織を動かせる人財」、「グローバルに活躍できる人財」、「新たな価値創造のできる人財」の育成が必要と考えています。また、人財を育成していくには、従業員のエンゲージメントを高めることが重要であるとの考えから、人事戦略として「人財育成」「ダイバーシティの実現」「従業員の健康と安全の確保」「人権への取り組み」「働き方改革の推進」を重要課題と捉え、仕組みの構築と制度の充実を図るとともに、それによって多様な人財が仕事にやりがいを感じ、能力を最大限に発揮できるよう働きやすい職場づくりに取り組んでいます。
特に現在は、部門の枠を超えた学びの場を増強し、全体最適の視点を持って組織を動かせる人財の育成や、挑戦する企業風土の醸成に注力しています。また、組織力向上の一環として、外国籍人財や他業界出身人財の採用も積極的に進めています。文化や価値観、考え方の違いを知り合い、そこから生まれる新たな発想やアイデアの創出を進めています。
2024-2026年度 中期経営計画 ~持続的な利益創出と成長軌道への変革~ コーポレート機能の強靭化
2024-2026年度中期経営計画として「コーポレート機能の強靭化」を掲げ、人財強化のための投資は「ソリューション領域に向けた人財確保」と「グローバル人財の育成・交流」に注力します。当社は、これまでハード面に強みを持っていましたが、お客様の真のニーズに的確に応え続けていくためには、ソフト面の強化も必須です。
実現に向けて、これまで連携する機会が少なかった分野(ソフトウェア、マーケティング、社内おいては別センター・本部など多数)からの人財確保や人財交流の場を設けていきます。また、それによって、視野を広げて実際に行動し、世の中の役に立ちたいという熱い思いを持って活躍する人財を輩出します。
同時に、引き続き人事制度改革に取り組み、従業員のモチベーションをアップさせるための「実力本位の人事制度の強化」、「成長対話を促す制度への転換」を推進していきます。
2024年度の取り組み
2024年度は2025年4月からの実施に向けて、評価制度の見直しに取り組みました。
- 昇格のスピードアップのため、①昇格要件の追加、②事前受験制度の導入、③飛び級制度の創設を行いました。
- 考課制度のうち能力評価については、会社の従業員に対する期待像を再整理し明確にし、考課表を修正しました。
人財育成
当社は、多様な人財が主体的に挑戦し、全社最適の実現に貢献できる組織を目指し、実践的な成長支援プログラムを推進しています。2024年には、一人当たり3.2万円を人財育成に投資し、社員の意欲や挑戦を具体的に後押しする各種育成施策を展開しました。自ら学び成長する姿勢を支え、組織の活性化とイノベーションの創出につなげています。
グローバル人財の育成
来年度に向け、多様性理解の促進を主軸とした、新たなグローバル人財育成プログラムを企画しました。本プログラムは、多様性理解・語学・現地訪問などを組み合わせ、国内外を問わず多様な価値観への理解を深めていくことで、国内外のお客さまや関連会社のみなさんとの連携強化を牽引していける人財を育成します。様々なバックグラウンドや考え方を尊重、受容し、それらを活かしていくため、コミュニケーション力やリーダーシップ力のスキルアップ機会も社内に広く提供してまいります。
従業員の声を活かす対話の推進
当社では、経営層と従業員による対話会や、30代社員の集い、中途入社者の交流会など、さまざまな対話の場を積極的に設けてきました。これらの取り組みには、2024年度は合計75名が参加し、多様なバックグラウンドや年代の従業員が自分の考えやアイデアを発言・提案しやすい環境づくりを進めています。今後も、現場で働く従業員一人ひとりの声を大切にし、自由闊達な意見交換ができる企業風土の醸成を通して、持続的な組織進化とイノベーションの促進に努めてまいります。
管理職候補者育成
係長層を対象に、役割に応じたマネジメント力やリーダーシップを強化する研修を体系的に実施しています。2024年度は合計50名が参加し、現代のリーダーシップ、評価制度の運用、PDCAサイクルの実践、労務管理など、幅広い内容をカバーしています。また、新任係長には実務に直結したフォローアップ研修も実施し、組織運営や部下育成の実践力向上を支援しています。今後も企業の持続的な成長を支えるリーダー層の育成に力を注いでまいります。
関係会社との交流プログラム
当社とグループ会社のメンバーが、互いの組織課題や取り組みを共有し、解決策を議論するプログラムを企画し、2025年度より開始しています。合計7名が参加しており、職場を相互に訪問しながら現場を体感し、他社の良い点に気づいたり、お互いの課題を議論し合っています。こうした交流を通じて、ノウハウの共有だけでなく、変革への意識も高めていきます。
後継者育成計画
2024年度から開始した本計画は、二年目の実施にあたり見直しを行いました。次期および次々期の経営候補者の社内外におけるビジネス経験値をより一層強化することを目的とします。また、360度フィードバックを本計画の対象者から導入し、その後は管理職層へも拡大することで、組織全体のパフォーマンス向上を目指します。
研修・学びの機会

ダイバーシティの推進
当社は、多様な人財が活躍できる職場づくりを重要な経営課題の一つと位置付けています。女性、シニア、外国籍人財など、それぞれの個性や能力を最大限に発揮できる環境づくりを通じて、組織のさらなる成長とイノベーションの創出を目指しています。現状の課題をしっかりと捉え、積極的な改善と各種施策に取り組んでおります。
女性の活躍推進
当社では、2025年3月時点で正規社員に占める女性比率 が14.7%に対し女性管理職比率が0.8%にとどまっています。この状況を打破すべく、経営層と従業員の対話会を実施し、人事評価制度の運用改善や現在の管理職層のアンコンシャスバイアスの自覚を促し、行動変容を促す策の必要性を明確にすることができました。加えて、男性の育休取得推進の具体的な施策検討も進めています。当社の男性育休取得者は一定数いるものの、取得期間については十分とは言えない現状も明らかになりました。誰もが仕事とプライベートの充実を実現し、やりがいを持って仕事に取り組んでいける環境づくりを推進してまいります。
シニア人財の活躍推進
経験豊かなシニア社員は、技術伝承や人財育成、職場環境の改善に大きく貢献しています。当社では最長70歳までの継続雇用制度を運用し、2025年3月末時点で61名のシニア社員が現場で活躍中です。従来より定年前研修を実施してきましたが、本年より内容を見直し、後継者を育成する意識や学び続ける姿勢を重視したプログラムを新たに取り入れています。
外国籍人財
新卒、中途採用においては、国籍を問わず優秀な人財を積極的に採用しています。現在、高度専門職や技術、人文知識・国際業務などの在留資格を持つ外国籍従業員が2025年3月時点で12名在籍しており、営業職や企画職をはじめ、さまざまな分野で活躍しています。また、人づくりに貢献することを目的に、「外国人技能実習生制度」に基づく外国人技能実習生の受け入れも行なっています。
働き方改革の取り組み
育児・介護支援
従業員の出産・育児、介護と仕事の両立を会社全体で支えることを目的として、「テレワーク」や「フレックス制度」、「短時間勤務」、「半日休暇」など柔軟な働き方を実現する各種制度を整備し、拡充しています。なお、「育児休職」後の復職率は100%であり、男性従業員の取得もあります。今後も男性従業員のさらなる取得率の向上を目指し人事部より対象者に向けた制度の周知と定期的なフォローを継続していきます。介護支援では「介護休暇」、「介護休職」のほか、介護認定や介護サービスなど公的支援に関するアドバイスも受けることが可能です。
また、やむを得ない理由でそれらの取得が困難な方のためには、勤務地の限定や週3日勤務などで対応する「キャリアチェンジ支援制度」を整備しています。この制度を2024年度に拡充して、出産・育児、介護、その他特別な理由で退職を選択した方には、当社で培った経験に加え、退職後に得た知識やスキルを生かして再び活躍いただくことを目的として「退職者再雇用制度」を追加しました。
テレワーク/兼業・副業制度
「テレワーク」は当初、育児・介護や営業活動を対象に自宅勤務やモバイル勤務を制度化しました。その後、2024年4月に規定を改正して全社で運用できるようにしました。なお、自宅で勤務した者には勤務日数分の在宅勤務手当が支給されます。
また、多方面で自身のスキルを生かしたい、さまざまなスキルを身に付けたいという意欲的な従業員の自己実現を後押しすべく、「兼業・副業制度」を開始しました。勤務時間外に限り、他社の事業所での就業等が可能となっています。今後も、従業員一人ひとりに合わせた柔軟な働き方ができる環境づくりに取り組んでいきます。
過重労働の防止
当社では、長時間労働の防止に努め、たとえば20時以降も事業所内に滞在している従業員と上司には帰宅を促す通知メールを配信したり、月半ばで月間残業予測値を算出し、長時間労働に相当する恐れがある従業員と上司には注意喚起をしています。
また、長時間労働に関する法令を遵守しています。法令より上限を厳しく定めた当社の基準に基づき、長時間労働者の把握と産業医面談を実施し、従業員の健康被害の防止に取り組んでいます。さらに、年間実労働時間の削減と年次有給休暇の所得促進に努めており、年次有給休暇を一斉に行使する「一斉年休行使日」を年に5回設定しています。
労使懇談会
経営者と従業員の生活共同体という考えを基本姿勢として、工場毎に従業員代表と会社幹部が労使懇談会を開催して意見交換を行なっています。また、工場の労使懇談会を受けて、毎月1回全工場の従業員代表と経営による全社労使懇談会を開催し、情報提供と意見交換等を行うとともに、従業員の要望も吸い上げています。
その他参考データ(単体)
