有機ELディスプレイ(OLED)
よくあるご質問・FAQ
有機EL(OLED)に関するよくあるご質問と回答をご紹介いたします。
OLEDの特性について
- 焼き付きとはなんですか?どうすれば焼き付きを防げますか?
- クロストークとはなんですか?どうすれば防げますか?
- AMOLEDとPMOLEDの違いを教えてください。
- 静電気への耐性について教えてください。
OLEDの使用方法について
- 輝度をスペックの値よりも高くするとどうなりますか?
- 点灯寿命・動作寿命を伸ばすにはどうすればいいですか?
- OLEDを筐体に固定する推奨方法はありますか?
- 取り扱いの注意点を教えてください。
- どのように保管すればいいですか?保管期限はどのくらいですか?
OLEDの製造について
OLEDの特性について
焼き付きとはなんですか?どうすれば焼き付きを防げますか?
同じ画像を長時間または繰り返し点灯させ続けると、一部の画素だけ劣化が進行して輝度が低下したり、温度が上がって輝度が上昇するため、表示を変更した際に、うっすらと残像(焼き付き)が発生します。
同じ画像を長時間表示させず、スクロール表示など動的でディスプレイ全体を使用するようなコンテンツにすることで、焼き付きを防ぐことができます。
また、発光する画素が多いほど焼き付きが目立つため、白背景よりも黒背景の画像を表示することを推奨いたします。
クロストークとはなんですか?どうすれば防げますか?
クロストークとは、スキャンラインの点灯率が異なることにより、輝度差が生じる現象のことです。白背景に黒文字など、点灯率の差が大きい画像を表示した際に発生します。
パッシブOLEDは、各OLED素子でカソードの配線を共有しているため、点灯するドットが多い場合、配線での損失が増大しVaが上昇します。Vaが上昇すると、ICの特性により、出力する電流が減るため、輝度が低下します。
クロストークは有機EL(OLED)の特性上、完全には防ぐことができない現象ですが、下記の方法でクロストークを軽減し、目立たなくさせることができます。
- プリチャージ期間・電圧などのソフトウェア設定を変更する
- スキャンラインの点灯率の差が小さい画像を使用する
AMOLEDとPMOLEDの違いを教えてください。
駆動方式と構造が異なります。詳しくはこちらのページをご参照ください。
静電気への耐性について教えてください。
弊社では下記条件のサージ試験を実施し、有機EL(OLED)の表示に異常が発生しないことを確認しております。
- HBM (Human Body Model, 人体モデル) : 100pF, 1.5kΩ, ±1000V
- MM (Machine Mode, マシンモデル) : 200pF, 0Ω, ±200V
OLEDの使用方法について
輝度を変更するにはどうすればいいですか?スペックの値よりも高く設定しても良いですか?
スペック(仕様書)に記載されているソフトウェアコンフィグレーション例の「コントラスト制御値」を変更することで、輝度を調整できます。
スペックに記載されている「コントラスト制御値」よりも高い値に設定すると、スペックの値よりも輝度が高くなりますが、電圧や電流値が通常よりも高くなり、表示異常を起こすリスクがあるため、スペックの規定内の条件で使用することを推奨いたします。
点灯寿命・動作寿命を伸ばすにはどうすればいいですか?
有機EL(OLED)の点灯寿命は輝度と反比例の関係性があり、輝度を半分にすると寿命が約2倍に、輝度を1/4にすると寿命が約4倍になります。長く製品をお使い頂くために、一定時間経過後にディスプレイの輝度を下げたり、自動的に消灯するプログラムにすることを推奨いたします。
OLEDを筐体に固定する推奨方法はありますか?
推奨方法は特にありませんが、下記の方法で固定している過去事例がございます。
- 光学樹脂(OCR・OCA)でカバーに貼り合わせる
- OLEDの背面に両面テープを貼り付ける
- OLEDの背面をスポンジなどで押さえる
- 筐体の爪で固定する
取り扱いの注意点を教えてください。どんなことをすると壊れますか?
有機EL(OLED)はガラス基板を2枚貼り合わせて密封した構造をしています。基板に過度な力が加わると、基板が割れたり、封止している樹脂が剥がれて水分が侵入し、有機素子が急速に劣化するため、OLEDを強い力で固定したり、落下させないようご注意ください。
また、OLEDに搭載しているドライバーICには絶対安全定格が定められており、これを超過するとICが故障します。電圧や電流値がスペックに定められている定格・推奨動作条件を逸脱しないよう、回路の設計をお願い致します。
どのように保管すればいいですか?保管期限はどのくらいですか?
弊社では有機EL(OLED)をアルミ蒸着袋に入れ、減圧密閉した状態で出荷しております。使用するまでは袋を開けず、直射日光・蛍光灯の光が当たらない、温度 -5~+35℃、湿度 RH65%以下の環境で保管してください。開封後はできるだけ早く(1ヵ月以内)に使用することを推奨いたします。
製品輸送時など、一時的な環境変化に温度・湿度の逸脱は問題ありません。(船舶輸送は除く)
OLEDの製造について
OLEDの製造工程を教えてください。
弊社では以下のプロセスでOLEDを製造しています。より詳細な情報につきましては、問い合わせフォームからご相談ください。