新製品「射出成形監視システム MDS32A」の発表について

2025年11月6日
双葉電子工業株式会社

射出成形機をAIで自動制御 ― 複合計測によるAI推論精度向上で、成形条件の自動制御に対応。安定成形が難しい環境配慮樹脂やエンジニア不足の課題に貢献。

当社は、射出成形による生産を革新する新製品「射出成形監視システム MDS32A」を、11月12日(水)~14日(金)で開催される「高機能素材Week東京2025」で発表いたします。

現行機MVS08から進化し、樹脂圧力、樹脂温度、金型温度、外部機器情報など、複合的な情報からの推論を可能とした、革新的なAI機能を搭載し、ショット毎の良否判定や成形条件の自動制御を実現しています。尚、本製品は2026年4~6月の発売を予定しております。

開発背景

製造業では人手不足やベテラン技術者の定年退職による技術継承の課題が深刻化しています。射出成形においても、属人的な成形ノウハウをAIで形式知化し、若手技術者でも安定した成形条件を再現できる仕組みが求められていました。また、GHG(温室効果ガス)排出量の削減という社会的課題の対策として、再生樹脂や環境配慮樹脂の利用が拡大していますが、物性のバラつきや特徴的な条件から、安定成形が難しいという課題があります。

こうした課題を解消すべく、当社では2024年4月に「射出成形AIシステム」を発売いたしましたが、金型内の樹脂圧力のみを解析対象としており、単一パラメータでの異常検知や条件最適化には限界がありました。

この様な課題を背景に、当社では、樹脂圧力、樹脂温度、金型温度、外部機器情報など、複合的な情報からの推論を可能とした「射出成形監視システム MDS32A」を開発いたしました。

MDS32Aの主な特長

1. AIによるショット毎の良否判定機能

金型内に設置されたセンサにより、樹脂圧力・樹脂温度・金型表面温度をショット毎に計測。AIが良品時の波形を学習し、異常波形を自動検知・アラートを発出。検査工数の削減と不良品の早期発見を実現します。

2. AIによる成形条件の自動調整機能

異常波形と良品波形の差分をAIが解析、最適な成形条件を提案または自動調整。環境変化や物性のバラつきに対応し、連続不良の発生を防止します。

3. 最大32点の同時計測

樹脂圧力・樹脂温度・金型表面温度・外部機器情報を最大32点まで同時に計測可能。

4. デジタル多重化送信による大幅な省配線化

複数の中継機でアナログ信号をデジタルデータに変換し、ひとつの通信回路にまとめて送信するデジタル多重化送信により32点計測でも2配線のみと、従来比1/16となる大幅な省配線化を実現しました。

5. センサ情報の自動設定

従来は手動入力が必要だったセンサの感度区分設定について、バーコードリーダーによる読み取りで、センサ情報を自動的に反映。設定ミスの防止と効率化が図れます。

6. OPC-UA通信でDX・IoT化を支援

Euromap82.5準拠のOPC-UA(LAN 1000BASE-T)対応により、成形機やMESと高信頼通信を実現し、DX・IoT化を支援します。

構成例

出展・実演情報

展示会:高機能素材 Week 東京 2025
会期:2025年11月12日(水)~14日(金)
会場:幕張メッセ(千葉市美浜区)
出展内容:射出成形機を使用した「MDS32A」の実演デモンストレーション
URL:https://www.futaba.co.jp/product/precision/new/3175

双葉電子工業とは

双葉電子工業精機事業センターは、1963年から金型部品の製造・販売を行っています。2000年より、射出成形におけるプラスチック金型の内部を見える化する「金型内計測システム モールドマーシャリングシステム」の製造・販売を開始し、国内外で延べ1000社以上導入実績があります。

本件に関するお問い合わせ

〒297-8588 千葉県茂原市大芝629
双葉電子工業株式会社 総務法務部長 徳元 秀行
TEL:0475-24-1111 (代)
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