省力機器Q&A(エアフィーダについて)

エアフィーダについて

エアフィーダの特長は?

構造、取扱い、設置が簡単で使い易い圧縮空気を動力源とした低価格なグリップフィーダです。 

①小型化 :設置面積が小さく、省スペース化が図れます。 
②キズ防止 :平面クランプで材料をやさしく送ります。
③異形状対応:クランプ部の簡単な改造で、いろいろな形状の材料に対応します。

送り方向とは?

エアフィーダは、 材料をつかんで送る構造ですが、 その送る方向によって【押送り】と【引張り】の2種類のバリエーションがあります。

【押送り】:材料は、金型に対して押し込む方向に搬送されます。
【引張り】:材料は、金型から引き出す方向に搬送されます。

リリーシングとは?

材料の送りが完了した後、固定クランプによって押さえられている材料を一瞬開放して、送り誤差の修正を行う機構です。送り誤差の修正の代表的な例は、パイロットピンがパイロット穴に入り込み、穴位置にならって修正させる方法です。

プレス加工油を材料に塗りたいのですが?

つぎの点に注意するようにお願いします。

①エアフィーダのクランプ部には、プレス加工油が直接かからないようにしてください。
②油の塗布された材料を送った場合、送り長さがばらつくことがあります。材料への油の塗布は、エアフィーダの出口側で行うようにしてください。 
③引張りタイプのエアフィーダの場合は、エアフィーダに材料が入る前で油をふき取るようにしてください。油の付いた材料を送ると、送り長さがばらつく原因となります。 
④塩素系の溶剤が添加された加工油や揮発性の高い加工油は、エアフィーダのパッキンに悪影響をおよぼすおそれがあります。エアフィーダにかからないようにしてください。

点検、オーバーホール時期の目安は?

エアフィーダの定期点検は、おおよそ使用時間1,000時間ごと、あるいは半年ごとを目安に行ってください。ご使用の環境や条件によって定期点検期間も大きく変わります。使われかたに合わせた定期点検をおすすめします。

主作動用電磁弁の切替方式とは?

主作動用電磁弁の切替方式には、つぎの3タイプがあります。

①ノーマルオープン:
送り信号OFFで材料を搬送します。プレス機でのご使用をおすすめします。停電などで発生する送り信号異常時(OFF)にエアフィーダが1回送り動作します。

 

②ノーマルクローズ:
送り信号ONで材料を搬送します。自動機でのご使用をおすすめします。 停電などで発生する送り信号異常時(OFF)にエアフィーダが1回戻り動作します。 

 

③ダブルソレノイド:
2つの送り信号が必要です。停電などの送り信号異常時にも状態を保持するため、エアフィーダが動作することなく、安全性が向上します。

送り長さ設定スペーサとは?

エアフィーダの送り長さ設定スペーサは、つぎの2タイプがあります。 

①樹脂スペーサ :取付け、取外しが容易なU字形のスペーサです。頻繁に送り長さを変更する場合におすすめします。 
②焼入れスペーサ:金属を焼入れした円筒形のスペーサです。送り長さを変更する頻度が少ない場合におすすめします。エア圧力や磨耗による寸法変化が少なく、送り精度が安定します。

エアフィーダの送り精度を良くしたいのですが?

①送り速度調整 :
スピード調整ニードルを回して、プレス機などの回転数に追従する範囲内で、できるだけゆっくりとした速度に調整してください。 

②クッションの調整:
クッションは材料を送る時のストローク端の衝撃を吸収し、送り長さのバラツキを少なくする働きをします。クッション装備の機種については、送り長さに合わせてクッションストッパの位置調整を行ってください。 

③油の付着確認 :
材料に油などが付着していると材料がすべりやすくなります。送り装置の後で、油を塗布するようにしてください。 

④取付け状態の確認 :
エアフィーダが金型に対して、曲がって取付けられていると、材料が片側へ寄ってしまい、幅ガイドと強くこすれて抵抗になります。各部の調整を行い、抵抗が小さくなるようにします。 

⑤送り条件の確認 :
送り信号の角度、リリース信号の角度、プレスSPM、エア圧力などが送り装置の仕様内で、適切に調整されていることを確認します。

エアフィーダの回転数がカタログ値まで上がらないのですが?

カタログ記載の回転数は、送り信号角度90~270°ON、270~90°OFFの180°振り分けの場合です。できるだけ180°振り分けに近づけてお使いください。また、つぎの点をご確認ください。

①送り速度調整 :
スピード調整ニードルを回して、プレス機などの回転数に追従する範囲内で、できるだけゆっくりとした速度へ調整してください。

②エア圧力の調整:
エア圧力が低い場合、回転数が低下します。0.4~0.5MPaの範囲になるように調整してください。また、動作中のエア圧力変動が小さくなるように、流量に余裕のあるエア機器をお選びください。

朝一番や休憩後のエアフィーダの動きが悪いのですが?

エアシリンダは、停止後の初回動作が遅くなる傾向があり、故障ではありません。これは、停止中にシリンダ内面とパッキンの接触面の油膜が切れて摩擦が大きくなることが原因です。周囲温度、内部の潤滑状態、機体差によって度合いが異なります。つぎの点をご確認ください。

①エアの遮断 : 停止中、エアフィーダへのエアを遮断することで、油膜切れしにくくなります。できるだけエアを抜くようにしてください。また、周囲温度は低温にならないようにご注意ください。

②潤滑状態の確認: 定期的にメンテナンスを実施して、最適な潤滑状態になるようにしてください。エアへ給油している場合は、滴下量が2~3分に1滴流れるようにルブリケータを調整してください。

③暖機運転の検討: 連続運転前に、できるだけ暖機運転(空運転)をするようにしてください。また、エアを遮断した状態で、数回、手動で移動クランプ本体を往復運動させることも効果的です。

AFEエアフィーダのダブルソレノイドタイプとは?

主作動用電磁弁をダブルソレノイドタイプに変更します。停電など突発的な電源遮断時に、電磁弁が切替らなくなることで、エアフィーダの誤動作を防ぎ、金型や材料の破損防止と、作業の安全性を向上させます。

ダブルソレノイド仕様は、AFE-150、AFE-200、AFE-250にのみ装着できます。 AFE-40、AFE-65、AFE-80、AFE-100は、お問合せください。 

ダブルソレノイドの取付状態

ダブルソレノイド用電磁弁の配線(主作動用)

配線手順は以下の通りです。

  1. 電磁弁の操作電圧に合せた電源を用意してください。
  2. リミットスイッチは、NC(ノーマル・クローズ)回路を使用します。
  3. 電磁弁の配線の片側を電源に接続してください。 もう片側をリミットスイッチのCOM(コモン)端子に接続してください。
  4. リミットスイッチのNC(ノーマル・クローズ)端子と電源を接続してください。

配線要領